質問2


ご質問

1年前、右胸の乳がんと診断され、全摘出手術を受けました。その後はホルモン療法を受けています。  現在、乳房の再建手術を考えているのですが、どのような方法があって、費用はどれくらいかかるのでしょうか。また、通常、手術後どのくらいの期間をおいてから行うのが望ましいのでしょうか。(44歳 女性)

 

アドバイス

全摘手術を受けられたあと、40代の方で抗がん剤を行っていないようなので、おそらくリンパ節転移なく、比較的再発のリスクが少ない患者さんと思われます。乳房再建にはインプラント(人工乳腺)を使う方法と筋皮弁(自分の組織の一部)を使う方法があります。手術自体はすぐに行うことができますが、たちの悪い再発が術後2~3年以内に起こる事が多いため、この患者さんのように二期再建を選ばれるなら術後2~3年が経過してから再建を行うのが現実的と思われます。ただ腫瘍の条件がよい方、すなわち再発しなさそうな方の場合は、半年程度を目処に再建手術を行うこともあります。手術法は現在の傷の状況、患者さんの体型、左右のバランスなどを総合的に判断してもっとも適切と判断される方法を決めます。費用に関しては保険でカバーできる部分と保険の適応外になる部分があります。筋皮弁法(腹直筋、広背皮弁術)や乳輪乳頭を反対側から移植する手術は保険適応となりますが、インプラントを使う手術は自費になります。このため保険適応でかつ費用の一定上限を超える部分が還付され格安でできる場合と、自己負担がすべて含めると100万円程度となる場合など、かなり幅があります。通常何回かの手術を含めた処置が必要になり、またトラブル(手術合併症)が起こった時の費用をどうするかという問題もありますから、初回の手術代、材料費だけではなく、細かい部分も事前に確認しておく必要があります。乳がんの初回手術のようにある程度の時間の中で決断しなければならないというプレッシャーはありませんから、体験者の話を含めたさまざまの情報を集め、形成外科医のセカンドオピニオンも十分とって納得の行く形で話しを進めていかれるとよいでしょう。