こんな症状があったら要注意です

小さな変化を見逃さない

 乳がんを早期に発見するためには、日ごろから自分の乳房をよく見て、さわって、小さな変化も見逃さないことが大切です。気になる症状があったら、「たぶん、だいじょうぶ」と自分で勝手に判断しないで、乳腺を専門にしたクリニックなどを受診しましょう。

シコリ

 乳がんの症状としてもっとも多くみられるものです。乳がんのシコリは、表面がでこぼこしていてかたく、周辺に根が張ったようで動かない、という特徴があります。1~2cmの大きさになれば結構わかると思います。シコリには良性のものが多いのですが、自己判断せずに医師の診察を受けることが重要です。

皮膚のへこみ、ひきつれ

 乳がんのシコリが皮膚の近くにあると、皮膚が引っ張られてえくぼ状のへこみができます(えくぼ症状)。へこんでいる部分をさわると、シコリに触れます。また、すじ状のひきつれが生じることもあります。乳頭(乳首)部分が陥没してくることもあります。これらはいずれも乳がんを疑わせる重要な症状です。

皮膚の色の変化

 炎症性乳がんの場合は、皮膚が赤っぽくなります。これは乳がん細胞が皮下のリンパ管に浸潤するためです。細菌感染による炎症とは違い、赤みや熱感は少ないのですが、皮膚が厚くむくんだようになり、毛穴が目立つようになる特徴があります。

乳頭からの分泌物

 乳がんがあると、乳頭(乳首)から血のまじったような茶褐色の分泌液が出ることがあります。特に、異常な分泌液が片側の乳頭の一か所の乳管からだけ出る場合は検査が必要です。

乳頭部分の湿疹、びらん、かさぶた

 パジェット病という特殊なタイプの乳がんは、乳頭、乳輪部の湿疹やびらんを特徴としています。皮膚科で湿疹の治療を続けていてなかなか治らない時、このまれな病気のことを念頭におく必要があります。

自己検診の方法

 閉経後の人なら月に一度決まった日に、生理のある方なら月経の終わった数日後の胸の張りのない時に自己検診を行いましょう。入浴したときに、鏡を見て、まず左右の乳房の大きさや形に違いがないかどうかを調べます。また、不自然なひきつれやへこみがないか、乳頭をつまんで異常な分泌液が出ないかをチェックします。次に乳房を触診しますが、触診の仕方は、手にせっけんをつけ、指先をそろえてまっすぐ伸ばし、乳房をまんべんなく触っていきます。せっけんをつけることですべりがよくなり、シコリを見つけやすくなります。

[コラム] こんな症状の乳がんもあります…タチの悪い炎症性乳がん

 乳がんの症状といえば、シコリ、乳首からの分泌物、皮膚の陥没やえくぼ、ただれなどがよく知られています。
 ところが、中にはまったく違う症状の乳がんもあります。たとえば、パジェット病。この場合は、乳頭部に湿疹やただれができて広がっていくのが特徴で、乳頭部がわからなくなることもあります。一見皮膚病のように見えることもあります。日本人にはそれほど多いがんではありませんが、わりあいタチがよく、治りやすいがんです。
 気をつけなくてはならないのは、炎症性乳がんです。炎症性乳がんは、その名のとおり、炎症に似た症状が特徴です。乳房の皮膚が橙@だいだい@の皮のような厚みと色合いになり、熱っぽく痛みます。これは、皮下のリンパ管に浸潤したがんが増殖してリンパの流れが詰まり、リンパ液のうっ滞を起こすことが原因です。シコリにならず、乳房全体の腫れを特徴にするため、がんとは思わない人が多いので、要注意です。
 炎症性乳がんは、進行が早くタチの悪いがんです。気になる症状があれば、すぐに乳腺を専門にしたクリニックなどを受診しましょう。