頭皮冷却による脱毛軽減のご案内(乳がん化学療法・虎の門病院)

PAXMAN頭皮冷却システム使用開始のお知らせ(抗がん剤による脱毛の軽減目的・虎の門病院)  

虎の門病院の化学療法室で2021年8月末からPAXMAN頭皮冷却システムを導入いたしました(当院では田村宜子乳腺内分泌外科医長が導入・オペレーションを担当)。化学療法が必要な方は、是非このような選択肢があることを御承知おきください。

虎の門病院化学療法室(42床) 青い装置がPAXMAN頭皮冷却装置の本体です

虎の門病院化学療法室(42床) 青い装置がPAXMAN頭皮冷却装置の本体です

1)化学療法投与開始30分前から、投与終了後90分まで、頭皮冷却キャップを用いて頭皮を冷却し、化学療法施行中の頭皮の血流を低下させることで、毛根に対する薬剤のダメージを減少し、脱毛を予防する方法です。TC、ACの4サイクル化学療法では脱毛が25~50%程度に軽減されることが観察されています(頭皮冷却を行わない場合は100%に近い脱毛となります)。かつらが不要になる場合も十分期待でき、かつらが必要になった方もダメージの回復が早く、元通りに回復できる確率が高いと期待されています。

2)2019年3月27日、がん薬物療法に伴う脱毛の軽減を目的としたPAXMAN頭部冷却装置が、国内で初めて医療機器として承認されました。。全額自費での扱いでTC、AC(計4回点滴)=¥155,600円、AC→毎週PTX(計16回点滴)¥340,400円、AC→3週毎DTX (計8回点滴)¥217,200円の負担が必要です(虎の門病院の価格設定)。現時点で都内でこの療法が選択できるのは10施設程度、全国では50施設程度です(2021年12月現在)

3)虎の門病院では乳癌の術前・術後の補助化学療法の方を対象としており(他のがん治療にも適応拡大する計画あり)、頭皮冷却の新規導入数が3か月間(2021年8月末からの~11月末)で15名となっています。虎の門病院ではさらにこの技術に注力し、患者さんたちが本当に必要なら安心して化学療法の選択ができる環境を整えていきたいと思います。

【コラム1】PAXMAN社(イギリス)はビールサーバーを製造していた会社で、そのビールサーバーの冷却技術を応用して頭皮冷却装置を製造しています。この領域のトップメーカーで、日本でもそのシェアをほぼ独占しています。

 

PAXMAN頭皮冷却システム